一筆☆啓上

観た映画、読んだ小説の印象を綴ります

映画「ら」行

映画「LOVE LIFE」(2022)

矢野顕子のあの特徴ある声が個人的に今ひとつ好きになれなくて、彼女の楽曲をまるで知らない。従って、監督・脚本・編集を担う深田晃司がインスパイアされたタイトル曲についてもこの映画を観るまで全く聴いたことがなかった。そんなわけで私のなかでは矢野…

映画「離婚しない女」(1986)

にっかつロマンポルノで名を馳せた神代辰巳がメジャー系(松竹)で撮った一般映画。ひとりの男が同時にふたりの人妻を愛するという題材に惹かれて鑑賞したものの、登場人物の背景がボンヤリしているため具体性に欠け、期待外れの凡庸な仕上がりで終わった 映…

映画「ロング・グッドバイ」(1973)

今回、あらかじめレイモンド・チャンドラーの原作(村上春樹訳)を再読したうえで映画を鑑賞した 私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とする一連のシリーズのなかでも、「ロング・グッドバイ」はハードボイルド小説を「文学」の域にまで高めたとも言える金…

映画「リトル・チルドレン」(2006)

原題をそのままカタカナ読みにしたタイトルの直訳は「幼児」となるが、本作の内容からすると、そこには「ピーターパン症候群」「アダルト・チルドレン」と同様に、大人になりきれぬ大人のニュアンスが含まれているのだろう ストーリーは、生活にゆとりのある…