一筆☆啓上

観た映画、読んだ小説の印象を綴ります

映画「は」行

映画「波紋」(2023)

俳優・筒井真理子の存在は「淵に立つ」を劇場で鑑賞したときに初めて知った。あの作品で筒井が演じた人物は、或る出来事を境に、その前後でまるっきり別人になったかのように映り、そうした内面から滲み出す雰囲気のあまりに見事な変化は、ウェイト増加とい…

映画「左利きの女」(1977)

ヒロインの家には小津(安二郎)を写したポスターが飾られ、シングルマザーの彼女が小学生の息子と映画館で観るのもまた小津のモノクロフィルム。従って、恐らくこの作品自体が小津の強い影響下にあるものと思われるが、私自身は彼の映画を、何となく自分の…

映画「バウンド」(1996)

この「バウンド」はウォシャウスキー姉妹がまだ兄弟だった時に製作されたもので*1、「暗殺者」*2の脚本で注目を集めたふたりが初めてメガホンを取った映画になる。たしか劇場公開時かなり話題に上っていて、私もビデオを借りた記憶はあるのだが、内容は全く…

映画「昼顔」(1967)

60年近く前の作品とあって、表現自体は現在の映画と比較してオブラートに包まれてはいるものの、貞淑な人妻が体を売ることで抑圧していた「自分自身」を解放するという内容は結構衝撃的だ 昼顔(セヴェリーヌ)が娼館のマダムにキスをしようとする場面が出て…